一般社団法人「いのちを織る会」のご案内

安全安心な社会は皆の願いです。
大人たちが愛する大切な人の死を悲しむ姿から、老い、病んでいく姿から子どもたちは、命のつながりや深さ、不思議さを少しずつ感じとっていくのではないかと思います。誰もが誰かの命を包み、一人ではなかなか受け止められない苦しみ、悲しみをみんなでわかちあうことの大切さを思います。

そこで、いのちを大切にする社会づくりに寄与するために、「いのちを織る会」を昨年設立しました。「いのちを織る会」は、大人と子どもがたった一つのいのちを互いに織りながら、誰もが、笑顔で幸せに生きることのできる社会の実現に向かって活動し、次世代につなげていきます。主な活動は、いのちに関わる講師や学習教材の提供や社会啓発活動、被害者支援のための相談に応じると共に、事故、事件、災害や病気、自死などで、大切な人を亡くされた方の話を聞く機会と場所を提供していきます。また、この会は、宗教、政治の活動には直接関与はしません。

命の大切さは、言葉だけは伝わりません。
子どもたちは、事故や災害などに直面した人から話を聞いて、「危険なことは何か」を学びます。そして、日々の暮らしを「安全」するにはどうしたらいいかを考えます。また、人の死に伴う悲しみ、苦しみを知ることで、いのちは、自分自身のものだけでないことを知り、生きている今を大切にしたいと思うのではないでしょうか。大人が子どもに一方的に伝えるものでもなく、逆に子どもから教えられることもあります。いのちに向き合うことは安全教育となり、「安全教育」はいじめや犯罪をなくし、命を守ることにもつながります。

 

「織る」という言葉には、いろいろなものを組み合わせ一つのものを作り上げるという意味があります。「いのちを織る」とは、かけがえのない「いのちの物語」を共有していくことです。失われた命は、次の命を包んでくれます。  誰もが笑顔で幸せに生きることのできる社会を実現するという夢や願いを希望につなげていくために皆様と共に歩んでいきたいと願っています。

いのちを織る会では、下記(左)の絵本 「大切なものは目に見えない」

を使用して命の授業を行っております。また、販売もしております。

ご希望の方は、お問い合わせのコーナーをご覧下さい


プロフィール

美谷島 邦子(みやじまくにこ)

 

1985年8月12日、520人が犠牲となった日航ジヤンボ機御巣鷹山墜落事故で次男の健ちゃんを亡くす。遺族の会「.12連絡会」事務局長。

精神保健福祉士。一般社団法人いのちを織る会代表理事。精神障がい者支援施設を運営、理事長をつとめる。2012年設置された国土交通省の公共交通事故被害者支援室の立ち上げの委員を経て、現在は、公共交通事故被害者等支援アドバイザーを務めている。

学校をはじめ企業や官公庁向けに「安全」と「いのち」をテーマに講演活動を行い、事故の再発防止といのちの大切さを伝えている。

2018年まで、上智大学グリーフケア研究所で非常勤講師を務める。

著書に、事故後25年の遺族の歩みをつづった「御巣鷹山と生きる」(新潮社)、

絵本「いつまでもいっしょだよ」(扶桑社)や編集「茜雲総集編」(本の泉社)2005年、編集「旅路」(上毛新聞社)2006年、編集「茜雲」事故から30年(本の泉社)2015年等がある。

 

 2022222日現在

 

2020年10月、絵本「けんちゃんのもみの木」共著を出版